ピアノが弾ける男子中学生は、ジャズを学べ

 初めまして、教授と申します。私は、5歳の頃に楽譜を見てピアノを弾き始め、それから15年ほど習い事として弾き続けています。現在はショパンのエチュードを数曲学習し、最終的には全て弾けるようになることをひとまずの目標としています。しかし、このペースはあくまでも平均的で、音大を目指す人は、中学から高校にかけてエチュードに本腰を入れて取り組んでいることと思います。また、ピアノが本当に好きだったという人は、独学でエチュードを弾いているかもしれません。私はそのどちらにも当てはまりませんでした。というのも、中学から高校にかけては受け身でピアノを弾いてきたからです。大学生になってサークルや日雇いのバイトなどで弾く機会が増え、ようやくピアノが好きになってきたと思っています。2015年春アニメ「響け!ユーフォニアム」の影響もあって、音楽全般が好きになったというのもきっかけかもしれません。好きでもないのにピアノを弾き続けてもその先に待つのは挫折、そして挫折から立ち直ることもなくやめるという、人生において後味の悪い経験になってしまいます。

 そんな私も、高校時代に学校がオーケストラを呼ぶという企画で毎年やっていた、ピアノ協奏曲を演奏する生徒を選ぶオーディションに三回とも落ちるほどに、なかなかピアノがうまくならないという「挫折」を経験しました。「ユーフォ」が無ければ今まともに生きていられたかもわかりません。こうした経験から、私は中学時代にジャズを独学で勉強しておけばよかった、と思っています。クラシック曲については、今後も継続的に趣味として続けていこうとは思いますが、はっきり言って、中高時代に触れた音楽がクラシックしかないのは非常に勿体なかったと思っています(もちろん紅白に出るレベルの歌手の曲はよく聴いていましたが)。そこで、簡単にではありますが、ジャズを学べばよかった、と思っている理由、すなわち、クラシック奏者がジャズを学ぶメリットを3つほど挙げていきたいと思います。

その1:即興で曲が弾ける

 世の中には、絶対音感といって、音を聞いたときにその音が鍵盤上で何の音かが分かる人がいます。周波数単位で音が分かる人もいるかもしれません。しかし、ジャズピアノを弾く上で重要となってくるのがコードを判別する力です。コードというのは和音のことで、ジャズでは基本的に4つの音の組み合わせでコードが進行していきますが、4つの音のうち、1つ、2つの音が半音上がったり下がったりするだけで和音の雰囲気が全く変わってくるので、それらを判別する力、どちらかと言えば相対音感に近い力が必要となってきます。もちろん、コードを勉強するまでもなくその力が身につく人もいますが、それ以外の人は、コードを一旦勉強して、ひたすら慣れるという作業が待っています。そして、コードを習得した暁には、メロディに伴奏をあてることもできますし、伴奏に即興的にメロディをつけることもできます。こうした力は、ジャズだけではなく、ポップスの学習によっても習得できるとは思いますが、クラシックしかやっていなければ習得しづらい部分でもあります。

その2: モテる

 中学では、ピアノを弾けるとモテるとか言います。合唱の伴奏を担当することで一目置かれるという話も聞きます。しかし、私が反例です。ピアノが弾ける女子が比較的多くいる中、男子でピアノが弾けてもしょうがありません。そして、その図式は大学生になってアルバイトをするようになっても維持されます。ピアノが弾ける人の求人募集は軒並み女性対象です。確かに、男性がピアノを演奏しているくらいだったら、プロの演奏のCDをかけた方が良いです。私が見ていた求人募集の中で、男性も募集している店舗(つまり、スーツを店で用意していると書かれている店)はジャズ限定でした。確かにジャズなら男でも雰囲気が出せそうです。「モテる」とは、「需要がある」ということです。下手にクラシック曲しか弾けない(私のような)男性には、需要がありません。

その3: ストレス発散になる

 ピアノを弾くことでストレス発散にもなるという人はいるかと思います。しかし、普段から練習して、弾きなれた曲を実際にストレス発散に使っている人はどれくらいいるでしょうか。これについては私だけかもしれないですが、弾きなれた曲をストレス発散に使うまでに至らず、練習中の曲など、弾きなれてない曲を弾く方がストレス解消に繋がると思っています。

 いずれにせよ、好きな曲を弾くことでストレス発散に繋がるのは確かです。私の場合は、昔好きになって弾きなれた曲よりも、今好きで練習している曲の方が良いということかもしれません。そして、「好きな曲を弾く」ことの最終形態が、ジャズ特有の即興演奏だと考えております。ポップスのジャズアレンジ、クラシックのジャズアレンジなども自由自在です。多様な音の組み合わせにより、自分だけの音を奏でることも可能です。

まとめ: ジャズピアノは人生に良い影響をもたらす

 以上、私がもしも中学生のときにジャズピアノを独学で初めていたらどうだったかということを考えながら妄想半分で書いた、ジャズピアノを学習するメリットについての文章でした。現状の私の自己肯定感の低さからしてみれば、少なくとも中学から高校にかけて自己肯定感を保つ助けとなったのではないかと思います。クラシックに飽きてきた男子中学生たちにはぜひジャズを習得してほしいと考えています。

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