一週間北日本紀行【1日目】新宿から新潟まで、鈍行にて

一週間北日本紀行【1日目】新宿から新潟まで、鈍行にて 2019/08 一週間北日本紀行

 実を言うと、この旅で訪れるであろう場所には、最低2回は訪れたことがある。つまり、「北日本紀行」は、3回目ということになる。しかし、私が「乗り鉄」を通して見てきた数々の車窓も、東京で過ごす日常の景色に埋もれていってしまい、3回訪れてようやく、車窓から見える景色に既視感を覚える程度だ。

 今回は、今まで何回かに分けて乗りつぶしを行ってきた北日本における旅の総括として、「終着駅」をテーマとした紀行を一週間にわたって行うこととした。その中には、初めて乗る路線(主に私鉄)も含まれている。長い長い全国完乗の旅において、特に後半になるにつれて顕著になってくるのが、すでに来たことのある場所が日本中に存在しているために、遠出をしている感覚をなかなか覚えなくなる、ということだ。

 今回の旅では、そのことも意識しつつ、乗車する車内に余裕がある際はこうしてホームページを更新したり、プログラミング言語の勉強をしたりと、プライベートスペースを作ることを意識した。Wi-Fi環境も、あれば積極的に使い、通信料の削減を心がけている。札幌にいる友人を訪ねるというのも、また旅の目的の一つではあるが、あくまでも今回の旅のメインは函館以南なので(道央は今年に入って2回行ったので、観光する場所も限られてくる)、往復の交通費および、札幌での宿泊費をなるべく掛けないようにした。あくまでも、自己肯定感を維持するというのがこの旅のモットー、といったところだ。

 さて、前置きが長くなったが、8月8日午後から突如始まった北日本紀行、その短い1日目を振り返っていこう。

新宿1420発

 旅の始まりは、新宿だ。正確には中央線沿線なのではあるが、中央線はあまり、旅の乗り物という感じがしない。あくまでも日常生活の延長という感じである。いや、今乗っている湘南新宿ラインでさえ、そうかもしれない。東京近郊区間大回りで何度も乗車してきたため、すでにその車内でプライベートスペースを作るすべを身につけてしまっているのだ。今回は時間帯の関係で、グリーン車に乗車することを選んだ。湘南新宿ラインに乗車するにあたって、車窓が見られるというのは個人的に重要なポイントである。というのも、日本有数の大都会を抜け、ベッドタウンを通過し、だだっ広い関東平野の田園風景に移り変わっていく姿が、一つの窓で楽しめてしまうからだ。この感覚を分かってくれる乗り鉄がいたらうれしい。

田端付近

 とは言え、車窓を見てもおそらくは、前に見た景色とほとんど変わらない景色だろうから、たまたまJavaの教材がPCにあったので、学習を進めることにした。途中まではC言語学習者にも優しい内容となっている。

高崎1603着

 同じ景色は二度とない、確かにそうだ。ついついその事実に惹かれて、車窓を見てしまう。乗り鉄中の作業や勉強は、メリハリをつけることが実に大切だ。

高崎1630発

 そして、高崎から水上までは211系区間である。大回りで両毛線に乗るときは恒例なのだが、トイレの前にロングシートではない席が二席だけあり、そこに座ることにしている。窓側に座ると、なかなか狭い。すぐ目の前に優先席のロングシートがあるのだ。5kgあるリュックを机替わりにして、PCでの作業を継続した。

赤城山をこの方向から望むのは、久しぶりである。

 そういえば、こうして上越線を最初から最後まで、新幹線を一度も使わずに律義に乗り通したのは、2018年3月以来だ。上越国境越えはそれ以降も何度かしているが、たいていどこかの区間で新幹線を使って時間短縮を図っている。しかし、今日の宿泊場所は新潟である。鈍行で行く時間は、たっぷりある。

おなじみ、土合駅
今日の旅は、これで終わり
2127新潟着

 水上、長岡でそれぞれ乗り換えて、新潟駅にはそれなりに早い時間に着いた。ここから今日の宿である、「BOOK INN」に向かう。万代口からは徒歩3分だ。

木の香りのする、いいカプセルホテルだ。22時の時点では、まだ読書している人が多かった

 宿に着いたら、すぐに「須坂屋蕎麦」でへぎそばを食べて、寝ようかと考えていた。しかし、自分の知っている本と運命的な出会いを果たしてしまった。

 I scream.

 というわけで、21時40分に着いてから、本を読み終えたのは23時半。須坂屋蕎麦は深夜1時までやっているけれど、早く食べて、明日に備えよう。5時半に起きなくてはならない。

一週間北日本紀行【2日目】北東パスで「いなほ」振替
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