朝日新聞の、「SNS・ネットで情報入手の人、内閣支持率高め なぜ?」を読ませていただきました。
https://www.asahi.com/articles/ASLBD41V2LBDUZPS005.html
この記事に登場している、東京工業大の西田亮介准教授の話によると、「情報を得るためのコストをかけるかどうかが、内閣支持率に影響しているのではないか」とされています。つまり、新聞は情報に対するお金を払っているため、積極的に情報を手に入れるようになる一方で、ネットニュースでは政治や社会にあまり関心がなく受動的になりがちである、ということのようです。それでは、若者は情報に対してお金を払っていないので、あらゆる情報に対して興味がないのでしょうか。
結論から言えばもちろん違います。お金を掛けていない分、若者は情報を得るために時間という、立派な「コスト」を掛けています。本来若者は流行に敏感なものです。しかし、政治や社会にあまり興味が無いと、朝日新聞社が感じているのだとすれば、若者たちの間で、政治や社会は「流行」の対象からは外れているということでしょう。
若者は「今のままでいい」?
記事中に、政治や社会に関心を持たない人は、「今のままでいい」と現状を受け入れやすいのではないか、といったことが書かれていました。それでは、例えば消費税10%に10月からなる、という現状を作り出したのは誰でしょうか。新聞は軽減税率で8%に留まるようですが、新聞が一般的にお金の無いと言われる若者に買われない理由の一端に、この消費税8%があるのではないでしょうか。それは文字通りの意味でもそうですし、消費税が導入されるようになった経緯からしてもそうです。なぜ、3%に上げるときも、5%に上げるときも、8%から10%にかけて上げるときも、消費税を上げるのが暗黙の了解みたいになってきたのでしょうか。朝日新聞社は、自民党の代替となる政党の選択肢を提示してくれていますよね。しかし、国民民主党や日本維新の会などの「まともな」政党を重点的に推してくれればいいものを、「自民党以外」で一纏めにしているようにしか思えません。選択肢を減らしているということについては、自分たちにも否があると認めるべきでしょう。
まとめ: 朝日「新聞」はまだしも、朝日新聞「デジタル」に記事としての価値はない
ネット上で自分にとって都合のいい情報だけを取り入れていくことによって、政治的に過激になっていく、つまり若者であれば「保守的」になっていく、という仮説が提示されていました。しかし、それは自己投影にすぎません。朝日新聞デジタルにも、そして対極に位置する産経新聞電子版だって、仰々しいタイトルで読者をひきつけて、実際に中身は大したことを書いていないということが往々にしてあります。タイトルに、誰かにとって「都合のいい情報」を詰め込んでいる時点で確信犯です。ネット上には、こうしたタイトル詐欺的な記事があふれており、その点は自戒の念を込めて言いたいと思いますが、朝日新聞デジタルは、いくら多様なタイトルで読者を記事に引き付けようが、結論は「自民党以外」になるという、薄い内容が記事として書かれているに過ぎません。消費税を10%にさせないためにはどこに投票するべきかすら書かれているかもわかりません。「ネット上には質の低い情報があふれている」を見事に体現してくれていますね。こうしたネット上での既存メディアの姿勢が、若者の既存メディア離れを増長させていることには間違いありません。