【12日目】1ヶ月で学ぶ高校地学【センター対策・天体】

はじめに

2021年からセンター試験に代わって導入予定の、大学入試共通テスト。どのように勉強すれば良いか戸惑ってしまいがちですが、地学に関してはその必要はありません。これまでのセンター試験でも、教科書の暗記にとどまらず、理解力を問うような問題が多数出題されています。大学入試共通テストの出題方針としては、「これまでのセンター試験における良問の蓄積をもとに思考力を問う問題を出題する」ということになっているので、過去問演習をなるべく多く行うことが、点数に繋がります。ここでは、11日目までに学習した地学の全範囲の中から、「どこまで理解していれば共通一次で点数に繋がるか」を意識して、より点数を意識した視点でこれまでの内容を再構築した知識をまとめていきたいと思います。

天体の大きさと距離

惑星の名前や成り立ち、恒星の名前や種類を暗記するだけではなく、その大まかなスケール感(距離や半径、質量)を理解する必要がある。

・太陽系天体の密度(大きい順)

地球(5.52)、水星、金星、(>5>4>)、火星(3.93)、月(3.34)、(>3>2>)、海王星、太陽(1.41)、木星、天王星、(>1>)、土星(0.69)
地球型惑星は密度が比較的高いが、その中でも火星や月は核の割合が小さいため密度が低めである。

・惑星の磁場

水星地球:外核の流動によるダイナモ作用により磁場を持つ。水星の磁場は地球の100分の1。
金星は、マントル対流が地球同様活発な一方、ダイナモ作用が働いておらず、磁場を持たない。火星、月はかつて存在していたが、マントル対流が活発にならず、熱の移動が中心部から表面部へ一方的に起こったため、現在は核の大きさも小さくなり磁場を持たない。
ガス惑星は全て強力な磁場を持ち、オーロラも発生しやすい。

・惑星の大きさと質量

直径(地球を1とする):太陽(約100)、木星(約10)、天王星、海王星、地球、金星、火星、水星、月(約1/3.5)
質量(地球を1とする):太陽(約33万)、木星(約310)、海王星、天王星、地球、金星、火星、水星、月(約1/81)

太陽と木星の密度は近く、太陽は木星に対して半径10倍、質量1000倍(10の3乗)ということがわかる。

・惑星の自転周期と向き

金星(243日):逆回転、水星(58日)、太陽(赤道付近25日、極付近35日)、火星(24h37m)、地球(23h56m)、天王星、海王星、土星、木星(10h)

金星の自転方向以外、全惑星の自転方向および公転方向は、太陽の自転方向(地球を北極上空から見たときに反時計回り)と一致する。

・惑星の公転周期

ケプラーの第3法則に従う。公転周期(Tとする)の2乗の、公転軌道の長半径(aとする)の3乗に対する比は一定で、中心の恒星の質量に依存する。

(T^2)/(a^3)=(一定)

・天体との距離と恒星の大きさ

1000パーセクまでは地球の年周視差により距離を測定できるため、絶対等級が求まる。距離をdパーセクとすると、
絶対等級=見かけの等級 + 5 – 5log10(d)

10パーセクの位置にある星は絶対等級と見かけの等級が一致し、それより近い星は、見かけの等級よりも小さい絶対等級に、遠い星は、見かけの等級よりも大きい絶対等級になる。これは絶対等級が10パーセクを基準に決められているため当然のことであるが、式にd=1であったり、d=100であったりを代入して確かめてほしい。
このようにして絶対等級が求まると、主系列星については質量光度関係により、明るさは質量の3.5乗に比例する。また、中心核の温度がおよそ1000万Kで一定であるという仮定をすると、恒星の半径は質量に比例する(導出過程は省く)ので、明るさは半径の3.5乗に比例することがわかる。

例題:しし座のレグルスの絶対等級は-0.5、太陽の絶対等級は4.8である。レグルスの半径は太陽の半径の何倍か推定せよ。

解答:等級が0から-1になると、明るさは100の5乗根(=2.51倍)になる。つまり、レグルスの明るさは、太陽の明るさの2.51の5.3乗(=132倍)になる。明るさは半径の3.5乗に比例するので、132の3.5乗根(=4.03倍)になる。よって4.03倍(実際は4.3倍)。

赤色巨星など、主系列星ではない恒星についてはこの関係が成立しない。例えば、アンタレスは絶対等級が-5.2であり、明るさは太陽の10000倍、これによると、半径は13.9倍ということになるが、実際は800倍ほどあると考えられる。

主系列星については、スペクトルと絶対等級の関係がHR図によりわかっているので、1000パーセク以上離れていても、見かけの等級との比較で恒星までの距離を推定できる。

これに関連して、センター頻出のシュテファン・ボルツマンの法則について復習しておこう。

シュテファン・ボルツマンの法則
単位表面積あたりの恒星の表面から放射されるエネルギーは、絶対温度の4乗に比例する。

例題:太陽の表面温度を6000K、太陽の半径を7.0×10^5km、地球と太陽の距離を1.5×10^8km、シュテファン・ボルツマン定数を5.67×10^-8(W/m2・K4)として、太陽定数を求めよ。

解説:太陽の表面温度の4乗にシュテファン・ボルツマン定数を掛けると、単位面積、単位時間当たりの放射エネルギー(W/m2)が求まる。これに太陽の表面積を掛けると、単位時間当たりの太陽全体の放射エネルギー(W)が求まる。ここで地球と太陽の距離を半径とする仮想的な球面を考えて、その表面積で割ることで、地球で受け取る単位面積、単位時間当たりの放射エネルギーである、太陽定数が求まる。

解答:1.6×10^3(W/m2)

遠くの銀河については、ハッブルの法則(銀河の遠ざかる速さと距離が比例)を使って距離を求めることができる。

天体の温度

・平均気温

金星(470℃)、水星(167℃)、地球(15℃)、火星(−43℃)、木星、土星、天王星、海王星

・中心温度

太陽(1500万K)、木星(20000K)、土星、天王星・海王星(7000K)、地球(6000K)、金星(5000K)、火星・水星(2000K)

地球内部の熱は、以前は原始地球形成時の衝突による運動エネルギーが熱として蓄えられてきたとされていたが、現在では、カリウムやウランなどの放射性元素の崩壊による熱が地表面へと供給されていることがわかっている。
地球内部から地表面に供給される熱は、地殻熱流量として定義される。

地殻熱流量(W/m2)=熱伝導率(W/m・K)×地温勾配(K/m)

例:花崗岩の熱伝導率は3.25(W/m・K)、地温勾配はマグマだまりなどのない場所では0.03(K/m)であるから、地殻熱流量は、0.0975(W/m2)である。

このように太陽定数は地殻熱流量に比べて非常に大きいので、深さ20m〜30mまでは気温の日変化・季節変化の影響を強く受ける。

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