1日でできる大回りの限界に挑戦してみた【900km】

1日でできる大回りの限界に挑戦してみた【900km】 旅行

年越し大回りは1035.4km、それ以外の日は…

東京近郊区間内で完結する区間の乗車券は、基本的に有効期限は1日であるが、大晦日の夜に終夜運転が行われる際には、大晦日に使った乗車券を元日まで継続して使うことができる。これにより、東京近郊区間内では、北小金馬橋間の乗車券を使うことで最長1035.4km移動することができる。
しかし、この距離を1日で移動することはできない。そのため、大晦日から元日にかけて現れる幻のルートなのである。そこで、それ以外の普通の日に、始発から終電で大回りするときの最長ルートを探してみると、900kmを超えるルート、902.9kmのルートを発見した。一つは西立川駅から立川駅の乗車券を使うパターン、もう一つは相原駅から橋本駅の乗車券を使うパターンであった。今回は、相原駅近くのネットカフェを利用し、橋本駅までの大回りを敢行した。ちなみに、11月に挑戦したときは失敗したため、そのリベンジである。蘇我駅での1分乗り換えがネックであった。そして、2020年3月のダイヤ改正で、蘇我駅での乗り換えが0分となり、理論上不可能となってしまった。

相原駅 4時49分

前日の夜は、橋本駅からバスでネットカフェへと向かった。しかし、早朝には走っていないため、相原駅まで徒歩で向かうしかない。

今回は、ICカードを用いた。厳密にはこれを「大回り」と言わないが、そのあたりの注意点をまとめた記事も書いたので、興味があれば見てほしい。

ICカードで「大回り」する際の注意点についてまとめてみた
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彼方に見えるマンションの明かりは、橋本駅周辺のものだろうか。あそこにたどり着くのは、19時間50分後である。

八高線が台風19号の影響で遅延していた時期である。今回の大回りには影響がなかった。そして、八王子みなみ野からは通勤客の姿も見られる。八王子駅での2分乗り換えに備える。

八王子駅 4時57分着 4時59分発

八王子駅からは通勤客の数も増える。しかし、まだ座れるほどであった。横浜線では、最前車両の最前部に乗っていたため、2分乗り換えは余裕であった。

立川駅 5時10分着 5時14分発

4号車にトイレが付いている編成に遭遇した。まだあまり普及していなかった時期であった。そういえば、2020年3月に中央線始発時間帯のダイヤ改正もあったから、立川駅でも1分乗り換えを強いられることになってしまった。

拝島駅 5時26分着 5時29分発

拝島駅では、何やらE353系おうめの運行準備をしていた。拝島駅から川越行に乗り、高麗川駅で八高線キハ110に乗り換えることもできるが、最長大回りでは、川越線と高崎線を経由する。西川越駅では多くの通勤客が乗車してきた。その多くが、自分と同じように川越駅で埼京線への対面乗り換えをすることになる。乗り換えに備えて早めに席を立っておいた。

川越駅 6時15分着 6時18分発

対面乗り換えを制し、埼京線通勤快速に着席することができた。

大宮駅 6時42分着 6時52分発

大宮駅では、大回り中に乗る特急ときわの指定席券を、駅構内の窓口で買うことができた。西立川駅発にした場合は、特急ときわを使わなくても良いが、そのかわり東京駅から湘南ライナーで茅ヶ崎までいく必要があるのだ。

途中の高崎駅で8時16分に下車して朝食を駅構内の蕎麦屋でとってから両毛線に乗る予定だったが、グリーン車課金で気持ち良く寝ていたら、高崎問屋町を発車したところだった。

前橋駅 8時52分発

高崎駅で朝食を逃しても、小山駅のホーム上の駅蕎麦に立ち寄ることができる。北関東での乗り換えは余裕があって気楽である。

小山駅 10時24分着 10時37分発

小山駅のきそばは、大回りのときに毎回お世話になっている。少し遅い朝食をいただいて、水戸線に乗り換えた。

筑波山を眺めていると、一瞬で友部駅に着いた。

友部駅 11時41分着 11時44分発

友部駅で乗る普通列車は、後続の特急ときわに追い抜かれるため、土浦駅まで乗車する。

土浦駅 12時13分着 12時25分発

土浦駅で駅蕎麦を食べることも可能であるが、今回は朝食が遅かったので、そのまま特急を待つことにした。

途中は柏しか停まらない。大回りのときには重宝する存在だ。そして、東京までは乗らずに上野で乗り換える。東京駅を目前にして、実際に東京駅に着くのは9時間後である。

上野駅 13時06分着 13時08分発

900km大回りの最初の関門である、錦糸町駅1分乗り換えが迫っている。前回は成功したのだが、やはり緊張する。これを逃すと、成田駅での接続が無いのだ。

秋葉原駅 13時12分着 13時17分発

錦糸町駅 13時23分着 13時24分発

中央総武線では最前車両の最前部に乗ると、乗り換え専用階段に一番近いため、混雑に巻き込まれることなく乗り換えることができる。無事総武快速線の成田空港行に乗ることができた。

千葉駅 13時55分着 14時00分発

成田空港行は、千葉で成田エクスプレスの待避のため5分停車する。それを利用して、千葉駅で駅弁を買い、昼食、夕食とすることができる。
房総半島を大回りする際は、駅ナカなどは当然なく、改札を出ることなく立ち寄れる駅蕎麦も皆無である。そのため、千葉駅で駅弁を買うのは必須である。理想的には、高崎と土浦の駅蕎麦で朝食と昼食を済ませ、千葉駅で夕食のために牛タン弁当を買い、途中の車内で食べたい。昼間の房総半島は景色が良いが、この大回りでは、景色など見ることはできない。そのため、どうしても飽きてきてしまうから、駅弁で精神的な疲れを癒そうということだ。

成田駅 14時30分着 14時41分発

成田駅からは、利根川の右岸を松岸駅まで進む。成田線のこの区間は、常に人が少ないが、景色が良いのでよく大回りで利用する。

松岸駅 15時54分着 15時57分発

先程千葉駅で買った万葉軒のトンカツ弁当を、成東駅までの車内で食べた。

成東駅 16時44分着 16時45分発

成東駅は1分乗り換えだが、1番線と0番線は同一ホームであり、乗り換える人も多いので、必ず待ってくれる。

大網駅 17時05分着 17時28分発

大網駅からは、千葉駅からのラッシュでそれなりに乗客がいる。しかし、多くは上総一ノ宮までに下車し、安房鴨川までは寂しい車内であった。

安房鴨川駅 19時03分着 19時05分発

安房鴨川では対面乗り換えである。そろそろ疲れてきた…

館山駅 19時48分着 19時56分発

そして、姉ヶ崎駅では、蘇我駅での1分乗り換えに備えて、5号車の最後部に立った。前回は、京葉線が発車した瞬間の時計が発車時刻前を指すという、正真正銘の早発を千葉支社に食らわせられたので、緊張の瞬間である。

蘇我駅 21時35分着 21時36分発

そして、蘇我駅到着。走り出した人が数名いるが、彼らも階段の位置を知ってこの乗り換えに備えているのだ。これで接続を打ち切られたら、もはやこれまでだ。

間に合った。後続のサラリーマンも間に合ったようだ。やはりダイヤがそうなっているのであれば、接続は打ち切るべきではない。階段の位置をしっかり認識して階段近くにいる人だけでも乗り換えられるようにするのが自分の知っている鉄道会社である。もっとも、2020年3月のダイヤ改正で京葉線が21時35分発になったので、そのような魂胆だったのだろう。

舞浜からはディズニー帰りの人たちがそれなりに乗ってくるが、最後部なので席が埋まる程度であった。そして、東京駅からは22時35分の国府津行に乗れば茅ヶ崎で最終橋本行に接続するのだが、その1本前に乗ることで早めに今日の旅を終えたいため、22時30分の湘南ライナーを目指した。乗り継ぎ時間は6分、早歩きであれば余裕で間に合うが、検札があるため、余裕を持って着くために、走ることにした。

東京駅 22時24分着 22時30分発

グリーン車乗車のため、携帯のグリーン券画面を提示すれば乗ることができる。しかし、グリーン車の車内は酒を飲んでいる人もいて、大人な空間となっていた。

しかし、185系ということでムーンライトながらに乗ったときを思い出しながら、落ち着いた雰囲気に眠ってしまった。

とはいえ、ここで寝過ごしてしまえば今までの苦労が台無しである。茅ヶ崎駅にて、最後の乗り換えを行い、橋本行に乗車した。前回は蘇我駅での接続打ち切りにより相模線ではなく、横浜線で橋本に帰還することを余儀なくされた。念願の相模線である。

茅ヶ崎駅 23時20分着 23時22分発

そして、前回は通ることのなかった厚木・海老名。大回りで来ること自体久しぶりなので、感動さえ覚えた。

橋本駅 00時39分着

こうして902.9kmにおよぶ大回りが終了した。

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