第4回 堆積岩と地層の成り立ち・化石

今回の目標

・堆積岩の種類と、その成り立ちを理解しよう

・堆積岩などによって作られる地層から、どのようなことが分かるかを知ろう

・地層に含まれる化石からどのようなことが分かるか理解しよう

Ⅰ 堆積岩の種類

川のはたらきによって堆積した岩石や、火山の噴火により周辺に堆積した火山灰は、押し固められることによって堆積岩をつくります。堆積岩は風化が起こりやすい地上や、侵食が起こりやすい川の周辺では形成されにくく、海や湖の底にできることが多くなっています。

川のはたらき(侵食→運搬→堆積)によって海や湖にできる堆積岩は、構成するつぶの大きさによって3種類に分けられます。

礫岩(れきがん):つぶの直径が2mm以上の「れき」が固まったもの。

砂岩(さがん):つぶの直径が1/16mm以上2mm以下の「砂」が固まったもの。

泥岩(でいがん):つぶの直径が1/16mm以下の「シルト」や「泥」が固まったもの。

火山灰などが水中に堆積したり、大規模な噴火によって厚みを持って陸上に堆積することでできる堆積岩を凝灰岩(ぎょうかいがん)といいます。

礫岩、砂岩、泥岩を構成するつぶは、川を運搬されることによって角がとれて丸くなっています。凝灰岩を構成するつぶ(火山灰)は、角ばっています。

ほかに、サンゴなどの死骸が堆積して圧縮されてできた岩石である石灰岩、放散虫の死骸が堆積してできた岩石であるチャートなどがあります。

Ⅱ 堆積岩と地層

地層は、観察される場所が昔どのような場所であったかを示します。その地層が何万年前のものかを示すのが、鍵層(かぎそう)と呼ばれる広範囲に観察される火山灰の層や、特定の化石が含まれる地層であり、その層をもとに他の地層の年代を推測することができます。

一般的に地層は上のものほど新しいですが、断層の動きにより地表付近の地層が曲げられる撓曲(とうきょく)が起こった場合、地層が逆転し、下のものほど新しくなることもあります。

最初に説明したように、堆積岩は侵食や風化が起こりにくい場所に形成されやすいです。礫岩は扇状地や自然堤防、河口から比較的近い浅瀬など、川に近い場所に形成されやすく、つぶが小さくなるほど川から遠い場所に形成されます。

例えば、河口付近において下から順に泥岩→砂岩→礫岩の順に堆積する様子が地層に見られた場合、その場所が隆起することにより、次第に陸地が近づいてきたことがわかります。

また、地層は必ず年代が連続しているとは限りません。不整合(ふせいごう)を境に年代が大きく変わっていることがあり、その部分に本来あるべき地層は、陸上の侵食や風化にさらされやすい環境に置かれたことで失われたと考えることができます。

石灰岩はサンゴなどの死骸で、あたたかく浅い海で形成されたものですが、必ずしもその場所が昔そのような環境だったことを示しません。あたたかく浅い海で形成された石灰岩がプレートに乗って沈み込むときに陸地に押し付けられ、隆起によって地上に出たものである場合が多いからです。

その場所が昔あたたかく浅い海だったことを明確に示すのは、サンゴなどの化石です。次の項では、地球の歴史をたどりながら、さまざまな化石を見ていきます。

Ⅲ 化石と地球の歴史

古生代

約5億年前、地球上にはゴンドワナ大陸と、小さな大陸がいくつか存在していました。この時期に、カンブリア爆発と呼ばれる生物の種の急激な増加が起こり、古生代が幕を開けました。この時期には三葉虫のように光をとらえる眼(め)を持った動物による捕食が盛んで、現在の昆虫のように殻(から)を持ったり、現在の脊椎動物のように脊索(せきさく)を持つ動物など、多様な種が生まれています。

この理由は、海底火山活動の増加による海の栄養の増加や、陸地の増加あるいは浅い海の増加、地球上の光の増加など、いろいろな説がありますがまだ明らかになっていません。

三葉虫は古生代の代表的な化石で、その地層ができた年代を示します。このように、ある時期に広い範囲で栄えていたため、化石から年代が分かるものを示準化石(しじゅんかせき)といいます。

中生代

古生代ペルム紀にはゴンドワナ大陸とその他の大陸が1つにまとまりパンゲア超大陸を形成しました。その結果、パンゲアに向かってプレートが一挙に沈みこむためにその反動として大規模なホットプルーム(スーパープルーム)が生じ、火山活動が非常に活発になりました。このことでペルム紀末の大絶滅と呼ばれる大量絶滅により、これまで栄えた三葉虫など、多くの動物が姿を消しました。

中生代には、アンモナイトなどが栄えました。また、生物の陸上進出により、脊椎動物である魚類、両生類、爬虫類も栄えました。しかし、恐竜の栄えた白亜紀末に大量絶滅が発生し、アンモナイトや恐竜も絶滅しました。隕石衝突の影響によるものである説が有力です。

アンモナイトは中生代の代表的な示準化石です。また、三畳紀、ジュラ紀、白亜紀にかけて形を変えていることから、年代の特定に大きな役割を果たしています。

新生代

白亜紀は今よりも温暖だったことが知られていますが、新生代の第三紀(現在は第四紀)も比較的温暖な気候でした。そのため、マングローブ林に生息するビカリアの化石が日本海沿岸などをはじめ、世界各地で見つかっています。そのため、ビカリアは新生代の代表的な示準化石と言えます。

示相化石

これまでの化石は、ある特定の時期に栄えていたため、その化石が含まれる地層の年代が特定されるという示準化石でしたが、古生代から現在まで浅い海を中心に生息しているサンゴ示相化石(しそうかせき)といい、サンゴの化石が含まれる地層が形成されたとき、その場所があたたかく浅い海であったことを示します。

まとめ

・海や湖などの侵食や風化が起こりにくい場所では地層が形成され、下から順に堆積していくため、上のものほど新しいのが基本。

・断層のはたらきにより地層の逆転が起こることもある。また、侵食や風化により地層が失われた時期があると、その部分は不整合として年代が不連続になる。

・噴火の時期がわかっている火山灰や、示準化石を含む鍵層によって地層の年代は特定される。

・古生代、中生代、新生代の各年代で栄えた動物の化石が示準化石として使え、幅広い年代で特定の場所(サンゴであればあたたかく浅い海)で栄えた動物の化石が示相化石として使える。

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