一週間西日本紀行【3日目前半】人吉にて念願の焼酎試飲

一週間西日本紀行【3日目前半】人吉にて念願の焼酎試飲 2019/09 一週間西日本紀行

 佐世保にて快活クラブを初めて利用して、個室に8時間居たが、とても快適な室内だった。今後も積極的に利用していきたいと思う。本日の予定は、佐世保から一気に鹿児島本線を南下し、肥薩線、日南本線を回って延岡へと行く。そして、4日目に高千穂の観光に行くために延岡のネットカフェに宿泊する。

佐世保駅

 佐世保始発の列車は、そこまで混んでいなかった。午後の列車であれば早岐から乗ってくるであろうハウステンボス観光客も、全くいなかった。観光客が乗ってくるのは、有田であったり、武雄温泉であったりと有名観光地の中心駅であった。武雄温泉では新幹線の工事も進んでおり、長崎新幹線開通後の観光客増加も期待される。

 肥前山口で一旦乗り換え、鳥栖まで難なく到着した。ここから鹿児島本線八代行に乗る。八代から肥薩線に乗り換えて人吉まで普通列車で行くのだが、八代での乗り継ぎが1分、つまり対面乗り換えということで昼食を食べる時間がない。そのため、鳥栖駅の駅蕎麦で、朝食とも昼食ともつかない食事を済ませた。

鳥栖駅。比較的大きな駅だが昔ながらの姿を留めている。

 熊本が政令指定都市であるとともに、九州新幹線の開通が待ち望まれた博多~新八代の区間を含むだけあって、郊外にしては乗降が盛んであった。これが宮崎県や大分県などの東九州になるとどうなるか、というのは、東九州新幹線の計画に興味がある者としては非常に気になるところである。

新八代到着前
八代駅にてキハ40に乗車

 肥薩線、八代から人吉までの区間は、9月の平日だけあって、各ボックスに1人が座る程度と、丁度良い席の埋まりだった。人吉では吉松行の次の列車まで3時間ほど時間があるため、そこで温泉に入ったり、機会があれば焼酎を飲もうと考えていた。

いわゆる「熊本ちゃんぽん」

 食堂のノボリに「ちゃんぽん」の文字があった。食欲に負けてしまった。やはり先ほどの駅蕎麦だけでは足りなかったということか。とは言え、時刻は14時を回った頃なので、良い食べ時だ。食堂では、650円という値段でこの量が食べられるとのことで、一人旅にしては珍しく、満腹感を覚えるほどだった。

人吉駅前にあったオブジェ

 そこから温泉への道は、30分。気温は30度を超えていた。北九州にフェリーで降り立ったときは、皆長袖を来ていた。長崎でも半袖では若干寒かったというのに、南九州に降りてきた途端、また、盆地に入った途端にこの暑さである。汗もかいてきたことだし、温泉にますます入りたいという気持ちがわいてくる。

 目的地は、「しらさぎ」という旅館に付いている日帰り入浴可能な温泉だ。女将さんに尋ねたところ、券を買えば入れるとのことなので、温泉の建物へと急いだ。

 券を買って脱衣所に入ると、湯船の目の前でたたずむおじいさんがいた。もう上がるところだろうか。体を洗い流した後、掛け湯をして湯船に入ろうとしたところ、おじいさんに、「熱いよ」と言われた。触ってみたところ、本当に熱かった。おじいさんは、お湯が注ぎこむ場所からなるべく離れたところに入った方が良いと言っていた。しかしそれでも熱い。「とりあえず入ってみな」と言われたので、下半身から少しずつ湯船に浸かった。確かに入ってみれば思ったほど熱くはない。しかし、少し湯船の中で動くと、熱さを感じる。これは42度の熱さではない。43度くらいだろうか、と想像した。見ると源泉かけ流しで泉温が47度と書いてあった。張り紙には湯船の温度は41度で、水で薄めたりしないように書かれていたが、この熱さでは水で薄めたくなる。たまたま熱いときに来てしまったか。

 1分ほど入って出ることを3度繰り返すともう体は温まり、扇風機で冷ますにも時間がかかった。

 だいぶ日は傾いてきたが、まだ16時、帰りの人吉駅までの道も暑く、長く感じた。基本的に往路よりも復路の方が体感時間が短いのだが、前日に長崎の夜景を撮るために山に登ったこともあり、筋肉痛が始まっていた。

 17時になると、先ほどのオブジェが動き出した。まさかからくり時計だったとは…。

 駅前にあったビジネス旅館の1階にあったお土産屋さんで、焼酎の試飲ができた。これは人吉駅に着いたときに確認していた。具体的には、500円で「そらきゅう」を買えば、それを使って焼酎の試飲ができるとのことだ。「そらきゅう」は、底が丸い1口ほどの陶器で、焼酎をつがれると飲み干すまでは机に置けないというものになっている。

 焼酎の試飲では、当然ながら割って飲むこともできないため、私は6銘柄を試飲した時点で、その中で「川辺」という焼酎が一番美味いと早々に結論付けて、試飲を終了した。

 さて、人吉駅からはほろ酔い気分で肥薩線の残りの区間に乗車する。しかし、吉松までの区間、寝てはならない。日本三大車窓と呼ばれる、えびの市の盆地が一望できる車窓であったり、途中の2駅においてスイッチバックが行われたりであったりと、鉄道ファンとしては見逃せないポイントが続くからだ。

 さて、本日は24時を過ぎてから南延岡駅に到着し、そこからネットカフェまで30分ほど歩き、さらに翌朝には高千穂へのバスに乗車する予定である。果たして肥薩線では眠らずに済むのか、そして、延岡には到達できるだろうか。後編につづく…

一週間西日本紀行【3日目後半】リニア実験線と延岡の夜景
一週間西日本紀行【3日目後半】リニア実験線と延岡の夜景
 前回は、人吉駅前の土産屋で焼酎を試飲させていただき、ほろ酔い気分で肥薩線に乗車した。肥薩線の終電は非常に早く、鹿児島県方面に抜けるための吉松行の終電は、17時台に人吉駅を出発してしまう。しかし、それはすなわち、肥薩線に乗車するときには...
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